概要
Blenderを学び始めると、誰もが同じような問題に直面します。「オブジェクトが消えた」「操作ができない」「思った通りに動かない」など...。この記事では、初心者がよく遭遇する問題とその解決方法を網羅的にまとめました。
オブジェクトが消えた・見えない
問題1: オブジェクトがビューポートから消えた
以下の原因と解決策を確認しましょう。
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| 非表示になっている | Alt + H で全て表示 |
| 別のコ レクションに移動 | アウトライナーで目のアイコンを確認 |
| カメラから遠すぎる | Homeキーで全表示、またはNumpad .でフォーカス |
| クリッピング距離外 | ビューポート設定でクリップ開始/終了を調整 |
問題2: レンダリングでオブジェクトが表示されない
以下を確認しましょう。
- アウトライナーのカメラアイコン(レンダー表示)がオンか
- オブジェクトがカメラの視界内にあるか
- レイヤーやコレクションがレンダー有効か
選択・操作ができない
問題3: オブジェクトをクリックしても選択できない
以下の原因と解決策を確認しましょう。
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| 編集モードになっている | Tabでオブジェクトモードに切り替え |
| オブジェクトがロックされている | アウトライナーで錠前アイコンを確認 |
| 選択不可になっている | アウトライナーで矢印アイコンを確認 |
問題4: G/R/Sキーが効かない
以下を確認しましょう。
- オブジェクトが選択されているか
- ビューポート内にマウスカーソルがあるか
- 他のモード(スカルプトなど)になっていないか
メッシュ編集のトラブル
問題5: 押し出しで二重面ができる
Eキーを押した後にキャンセルした(右クリック/Esc)場合でも、頂点は作成されています。
Ctrl + Zで取り消すか、M → 「距離でマージ」で重複頂点を削除しましょう。
問題6: 面が黒く表示される(法線の問題)
面の法線が内側を向いていることが原因です。
- 編集モードで全選択(A)
Shift + N→ 「外側に向ける」
法線を確認するには、オーバーレイ → 「面の向き」をオンにします。青=外側、赤=内側で表示されます。
問題7: スムーズシェードで変な影が出る
法線が正しくない、または頂点が重複していることが原因です。
Shift + Nで法線を再計算M→ 「距離でマージ」で重複頂点を削除- 右クリック → 「自動スムーズ」を使用(角度でスムーズ/フラットを自動判定)
モディファイアーの問題
問題8: ミラーが正しく動作しない
以下の原因と解決策を確認しましょう。
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| 原点がずれている | オブジェクトモードで右クリック → 「原点を設定」 |
| 軸が間違っている | モディファイアーで正しい軸を選択 |
| スケールが適用されていない | Ctrl + A → 「スケール」を適用 |
問題9: サブディビジョンで形が崩れる
メッシュに問題がある(N角形、非多様体など)ことが原因です。
- 選択 → 「全選択」→「非多様体を選択」で問題箇所を特定
- 四角形(クワッド)主体のメッシュに修正
テクスチャ・マテリアルの問題
問題10: テクスチャがピンク色で表示される
テクスチャファイルが見つからないことが原因です。
- シェーダーエディターで画像テクスチャノードを確認
- 画像パスが正しいか確認
- 「ファイル」→「外部データ」→「見つからないファイルを検索」
問題11: テクスチャが歪んで表示される
UVマッピングが正しくないことが原因です。
- UV Editingワークスペースを開く
- UVを確認・修正
- 必要に応じて再アンラップ(U)
問題12: ビューポートでテクスチャが見えない
ビューポートシェーディングを「マテリアルプレビュー」または「レンダー」に変更しましょう(Zキー)。
レンダリングの問題
問題13: レンダリングが真っ黒
以下を確認しましょう。
- ライトがシーンに存在するか
- ライトのパワーが十分か
- カメラがオブジェクトを向いているか
問題14: レンダリングにノイズが多い
以下を試してみましょう。
- サンプル数を増やす
- デノイズを有効にする
- ライトのサイズを大きくする
問題15: レンダリングが非常に遅い
以下を試してみましょう。
- GPUレンダリングを有効化
- サンプル数を下げてデノイズを使用
- 不要なオブジェクトを非表示
- 解像度を下げてテスト
パフォーマンスの問題
問題16: Blenderが重い・カクつく
以下を試してみましょう。
| 対策 | 方法 |
|---|---|
| サブディビジョンレベルを下げる | ビューポートレベルを1-2に |
| オブジェクトを非表示 | 不要なものはHで隠す |
| シンプルシェーディングを使用 | Zキー → ソリッドまたはワイヤーフレーム |
| モディファイアーを一時無効化 | モディファイアーの目アイコンをオフ |
ファイル関連
問題17: ファイルを保存せずに閉じてしまった
「ファイル」→「回復」→「自動保存を開く」で復元できる可能性があります。
予防策として、編集 → プリファレンス → 「ファイル保存とロード」→「自動保存」を有効化しておきましょう。
問題18: .blend1ファイルとは?
これはバックアップファイルです。拡張子を.blendに変更すれば開けます。
まとめ
- オブジェクトが消えたら:
Alt + H、Homeキー、アウトライナー確認 - 選択できなければ: モードとロック状態を確認
- メッシュが変: 法線確認(
Shift + N)、重複頂点削除 - テクスチャが見えない: シェーディングモードとファイルパスを確認
- 重い時: サブディビジョンとオブジェクト数を減らす
問題に遭遇したら、まずは落ち着いてCtrl + Zで元に戻すことを試みましょう。