【Blender】マテリアルとシェーディング - PBRワークフロー入門

作成: 2025-12-06

BlenderのマテリアルシステムとPBRワークフローの基本を初心者向けに解説

概要

3Dモデルに質感(金属、プラスチック、木材など)を与えるのがマテリアルです。Blenderはノードベースのシェーディングシステムを採用しており、物理ベースレンダリング(PBR)に対応しています。この記事では、マテリアルの基本とPBRワークフローについて解説します。

マテリアルとは?

マテリアルは、オブジェクトの表面がどのように光を反射・吸収するかを定義する設定です。

  • 色(Color): 表面の基本色
  • 反射(Reflection): 光の反射の仕方
  • 粗さ(Roughness): 表面のザラつき
  • 金属感(Metallic): 金属か非金属か

マテリアルの追加

  1. オブジェクトを選択
  2. プロパティ → マテリアル(球体アイコン)
  3. 「新規」をクリック

これで新しいマテリアルが作成され、オブジェクトに割り当てられます。

シェーダーエディター

より詳細なマテリアル設定にはシェーダーエディターを使用します。

開き方:

  • 上部の「Shading」ワークスペースを選択
  • または任意のエリアで「エディタータイプ」→「シェーダーエディター」

ノードをつなげてマテリアルを構築します。

PBRワークフローとは?

PBR(Physically Based Rendering:物理ベースレンダリング)は、現実世界の物理法則に基づいてマテリアルを設定する手法です。

メリット:

  • リアルな見た目が得られる
  • どのような照明環境でも自然に見える
  • 業界標準なので他のソフトとの互換性が高い

プリンシプルBSDFノード

BlenderのPBRマテリアルの中心となるノードです。デフォルトで新規マテリアルに追加されています。

主要なパラメータ

パラメータ説明範囲
ベースカラー表面の色
メタリック金属度(0=非金属、1=金属)0-1
粗さ表面の粗さ(0=鏡面、1=マット)0-1
IOR屈折率(ガラス等に使用)1.0-2.5
伝播透明度(ガラス等に使用)0-1
発光自己発光の色と強度色と強度

よく使う設定例

素材メタリック粗さ
プラスチック00.3-0.5
木材00.5-0.8
磨かれた金属10.1-0.2
錆びた金属10.6-0.8
ガラス00(伝播=1)
ゴム00.8-1.0

テクスチャの適用

より詳細な質感を表現するにはテクスチャ(画像)を使用します。

画像テクスチャノードの追加

  1. シェーダーエディターでShift + A
  2. 「テクスチャ」→「画像テクスチャ」
  3. ノードの「開く」で画像ファイルを選択
  4. カラー出力をプリンシプルBSDFの対応する入力に接続

よく使うテクスチャマップ

マップ接続先説明
ディフューズ/アルベドベースカラー基本色
ラフネス粗さ表面の粗さ
メタリックメタリック金属/非金属部分
ノーマルノーマル疑似的な凹凸
AO(アンビエントオクルージョン)掛け合わせ影の強調

ノーマルマップの接続

ノーマルマップは直接接続せず、「ノーマルマップ」ノードを経由します。

  1. 「テクスチャ」→「画像テクスチャ」を追加
  2. 「ベクトル」→「ノーマルマップ」を追加
  3. 画像テクスチャのカラー → ノーマルマップのカラー
  4. ノーマルマップのノーマル → プリンシプルBSDFのノーマル
  5. 画像テクスチャの色空間を「Non-Color」に設定

テクスチャの入手先

PBRテクスチャを無料で入手できるサイト:

よくある問題

テクスチャが表示されない

ビューポートシェーディングを「マテリアルプレビュー」か「レンダー」に切り替えましょう(Z キー)。

テクスチャが歪んでいる

UVマッピングを確認・修正しましょう。

色が正しくない

色空間設定を確認しましょう。色テクスチャはsRGB、データテクスチャはNon-Colorに設定します。

まとめ

  • マテリアル: オブジェクトの質感を定義
  • プリンシプルBSDF: PBRマテリアルの基本ノード
  • メタリック・粗さ: 素材感を決める2大パラメータ
  • テクスチャマップ: より詳細な質感表現に使用

PBRマテリアルを理解することで、リアルで説得力のある3Dシーンを作成できるようになります。