概要
モディファイアーは、オブジェクトの形状を非破壊的に変更する強力な機能です。元のメッシュを維持したまま、様々な効果を適用できます。この記事では、初心者が最初に覚えるべき2つの必須モディファイアー「ミラー」と「サブディビジョンサーフェス」を解説します。
モディファイアーとは?
モディファイアーは、オブジェクトに適用できる「フィルター」のようなものです。
特徴:
- 非破壊的: 元のメッシュデータを変更せず、見た目だけを変更
- リアルタイムプレビュー: 適用前に結果を確認できる
- スタッカブル: 複数のモディファイアーを重ねて適用可能
- いつでも解除可能: 不要になれば削除できる
モディファイアーは、プロパティパネルの「モディファイアー」タブ(スパナアイコン)から追加します。
ミラーモディファイアー
対称なオブジェクトを作成する際に必須のモディファイアーです。
基本的な使い方
- オブジェクトを選択
- プロパティ → モディファイアー → 「モディファイアーを追加」
- 「ミラー」を選択
これだけで、オブジェクトが指定した軸を基準に左右対称に複製されます。
主要な設定
| 設定 | 説明 |
|---|---|
| 軸(Axis) | ミラーする軸(X/Y/Z)を選択。複数選択可 |
| クリッピング | 中央の頂点が軸を越えないように固定 |
| マージ | 中央で重なる頂点を自動的に結合 |
| ミラーオブジェクト | 別オブジェクトを基準にミラー |
クリッピングの重要性
「クリッピング」をオンにすると、編集モードで頂点を動かしても中央のラインを越えなくなります。左右対称モデルで隙間ができるのを防げます。
サブディビジョンサーフェス
ローポリゴンモデルを滑らかな曲面に変換するモディファイアーです。
基本的な使い方
- オブジェクトを選択(例:立方体)
- プロパティ → モディファイアー → 「モディファイアーを追加」
- 「サブディビジョンサーフェス」を選択
角ばった立方体が、丸みを帯びた形状に変化します。
主要な設定
| 設定 | 説明 |
|---|---|
| ビューポート | 編集中のプレビュー分割レベル(1-2推奨) |
| レンダー | レンダリング時の分割レベル(2-3推奨) |
| 最適化表示 | ワイヤーフレーム表示を見やすく |
注意点
- レベルを上げすぎるとPCが重くなる
- ビューポートは低め(1-2)、レンダーは必要に応じて上げる
モディファイアースタックの順序
複数のモディファイアーを使用する場合、順序が重要です。
推奨される順序:
- ミラー(対称化)
- サブディビジョンサーフェス(滑らか化)
この順序を逆にすると、ミラーの境界が滑らかにならず、意図しない結果になることがあります。
モディファイアーの適用
最終的にモディファイアーの効果を確定させたい場合は「適用」を行います。
適用方法:
- モディファイアーの右上「∨」をクリック
- 「適用」を選択
適用すると元に戻せません。適用前 に必ずファイルを保存しましょう。
よくあるトラブル
ミラーが正しく動作しない
- 原因 - オブジェクトの原点がずれている
- 解決 -
Ctrl + Shift + Alt + C→ 「原点をジオメトリに移動」
サブディビで変な形になる
- 原因 - メッシュに重複頂点や内部面がある
- 解決 - 編集モードで
A(全選択)→M→ 「距離でマージ」
まとめ
- モディファイアー: 非破壊的にメッシュを変更する機能
- ミラー: 対称モデリングの必須ツール。クリッピングをオンに
- サブディビジョンサーフェス: 滑らかな曲面を簡単に作成
- スタック順序: ミラー → サブディビジョンの順番を守る
この2つのモディファイアーを使いこなせれば、モデリング作業の効率が大幅に向上します。