概要
Blenderで作業する際、「オブジェクトモード」と「編集モード」という2つのモードを頻繁に切り替えます。この2つのモードの違いを理解することは、効率的な3Dモデリングの第一歩です。この記事では、各モードの役割と使い分けを解説します。
オブジェクトモードとは?
オブジェクトモードは、シーン内のオブジェクト全体を操作するためのモードです。
できること
- オブジェクトの選択
- オブジェクト全体の移動・回転・拡大縮小
- 新しいオブジェクトの追加(Shift + A)
- オブジェクトの複製・削除
- オブジェクトの結合・分離
- モディファイアーの追加・設定
- マテリアルの割り当て
特徴
- 操作対象は「オブジェクト単位」
- 複数オブジェクトを同時に選択・操作可能
- メッシュの頂点・辺・面は直接編集できない
編集モードとは?
編集モードは、オブジェクトの内部構造(メッシュ)を直接編集するためのモードです。
できること
- 頂点・辺・面の選択
- 個々の頂点の移動・回転・拡大縮小
- 押し出し(E)、ループカット(Ctrl + R)などのメッシュ編集
- 面の追加・削除
- 頂点のマージ
- UVマップの編集
特徴
- 操作対象は「頂点・辺・面」
- 一度に編集できるのは1つのオブジェクトのみ
- オブジェクト全体の位置は変更できない
モードの切り替え方法
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| Tabキー | オブジェクトモード ↔ 編集モード を切り替え |
| Ctrl + Tab | モード選択パイメニューを表示 |
| ヘッダーメニュー | 左上のドロ ップダウンから選択 |
選択モード(編集モード内)
編集モードでは、さらに3つの選択モードがあります。
| キー | モード | 説明 |
|---|---|---|
1 | 頂点選択 | 個々の頂点を選択 |
2 | 辺選択 | 辺(2頂点を結ぶ線)を選択 |
3 | 面選択 | 面(ポリゴン)を選択 |
Shift + クリックで複数のモードを同時に有効にすることもできます。
実践的な使い分け
シナリオ1: キャラクターモデルを作る
- オブジェクトモード: 立方体を追加(Shift + A)
- 編集モード: 押し出しやループカットで形状を作成
- オブジェクトモード: ミラーモディファイアーを追加
- 編集モード: 細部を調整
- オブジェクトモード: マテリアルを設定
シナリオ2: 家具を配置する
- オブジェクトモード: 椅子オブジェクトを複製(Shift + D)
- オブジェクトモード: 各椅子を移動・回転して配置
- 特定の椅子を修正したい場合のみ編集モードへ
初心者が陥りやすい間違い
間違い1: 編集モードでオブジェクトを動かす
編集モードで全頂点を選択(A)して移動すると、見た目は同じですがオブジェクトの原点がずれます。オブジェクト全体を動かしたい場合は必ずオブジェクトモードで行いましょう。
間違い2: 別オブジェクトを選択できない
編集モードでは、現在編集中のオブジェクト以外を選択できません。他のオブジェクトを編集したい場合は、一度オブジェクトモードに戻る必要があります。
間違い3: モードを確認せずに操作
画面左上に現在のモードが表示されています。意図しない操作を避けるため、操作前に必ず確認する習慣をつけましょう。
その他のモード
Blenderには他にもいくつかのモードがあります。
| モード | 用途 |
|---|---|
| スカルプトモード | 粘土のように自由に形状を彫刻 |
| テクスチャペイントモード | オブジェクトに直接テクスチャを描画 |
| ウェイトペイントモード | ボーンの影響範囲を設定 |
| ポーズモード | アーマチュアのポーズを設定 |
まとめ
| モード | 操作対象 | 主な用途 |
|---|---|---|
| オブジェクトモード | オブジェクト全体 | 配置、モディファイアー、マテリアル |
| 編集モード | 頂点・辺・面 | メッシュの形状編集 |
- Tabキーで素早く切り替え
- オブジェクト全体を動かすならオブジェクトモード
- 形状を編集するなら編集モード
この使い分けを意識するだけで、Blenderの操作が格段にスムーズになります。