概要
Blenderで3Dモデリングを始めるにあたり、最初にマスターすべきなのが「ビューポート操作」です。3D空間を自由に動き回れなければ、効率的な作業は不可能です。この記事では、ビューポートの基本操作から応用テクニックまでを解説します。
ビューポートとは?
ビューポートは、Blenderで3Dシーンを表示・編集するためのメインウィンドウです。デフォルトでは画面中央に配置されており、この中で3Dオブジェクトを様々な角度から確認しながら作業を行います。
ビューポートは「仮想カメラ」のようなものと 考えると理解しやすいでしょう。この仮想カメラを自由に動かすことで、モデルのあらゆる面を確認できます。
基本操作:回転・パン・ズーム
ビューポート操作の基本は3つです。すべて**中央マウスボタン(ホイール)**を使用します。
| 操作 | マウス操作 | 説明 |
|---|---|---|
| 回転 | 中央ボタンをドラッグ | シーンの中心を軸にカメラを回転 |
| パン(平行移動) | Shift + 中央ボタンをドラッグ | カメラを上下左右に移動 |
| ズーム | ホイールを回転 | カメラを前後に移動(拡大/縮小) |
テンキーがない場合
ノートPCなどでテンキーがない場合は、「編集」→「プリファレンス」→「入力」から「テンキーを模倣」にチェックを入れることで、キーボード上部の数字キーでテンキーの機能を代用できます。
パースペクティブとオルソグラフィック
ビューポートには2つの表示モードがあります。
パースペクティブ(透視投影)
- 遠近感がある表示方法
- 人間の目で見たように、遠くのものは小さく表示される
- シーンの全体像を把握するのに適している
オルソグラフィック(平行投影)
- 遠近感が ない表示方法
- すべてのオブジェクトが実際のサイズ比で表示される
- 正確な位置合わせやモデリング作業に適している
テンキーの5、またはビューメニューから切り替え可能です。
ビューの固定方向
モデリング作業では、特定の方向からビューを固定したいことがよくあります。
| キー | ビュー方向 |
|---|---|
Numpad 1 | 正面(Front) |
Numpad 3 | 右側面(Right) |
Numpad 7 | 上面(Top) |
Ctrl + Numpad 1 | 背面(Back) |
Ctrl + Numpad 3 | 左側面(Left) |
Ctrl + Numpad 7 | 下面(Bottom) |
カメラビュー
最終的なレンダリングで使用されるカメラの視点を確認するには:
- テンキー
0: カメラビューに切り替え Nキー → サイドバー → 「ビュー」タブ → 「カメラをビューにロック」: ビューポート操作でカメラ位置を調整可能
よくある問題と解決方法
回転の中心がずれる
オブジェクトを選択した状態でテンキーの.(ピリオド)を押すと、選択オブジェクトを中心にビューがリセットされます。
ズームが効かなくなる
ズームの限界に達することがあります。Shift + 中央ボタンでパンしてから再度ズームするか、テンキー.でビューをリセ ットしてください。
オブジェクトが見えなくなった
Homeキーを押すと、シーン内のすべてのオブジェクトが収まるようにビューが調整されます。
まとめ
- 中央マウスボタンがビューポート操作の要
- 回転・パン・ズームの3操作を体に覚えさせる
- パースペクティブ/オルソグラフィックは用途に応じて使い分け
- テンキーで固定方向のビューに素早くアクセス
ビューポート操作は、Blenderを使う限り常に行う基本動作です。最初のうちは意識的に練習し、無意識に操作できるようになることを目指しましょう。