【VRChat】Light ProbeとReflection Probe入門:動く小物の明るさと映り込み

作成: 2026-09-08最終更新: 2026-09-09

ベイクした部屋で小物だけ暗くなる理由を、焼き付けた光と空間の標本の違いから解説します。Light Probeの置き方と、Reflection Probeで金属に部屋を映す方法まで。

部屋のライトをベイクして、床にも壁にもきれいな影が出ました。ところが、机の上に置いたコップだけが妙に暗いままです。

拾える小物も、動く扉も、そしてアバターも同じです。壁は明るいのに、そこにある物だけ沈んで見えます。

この記事では、その理由を整理して、Light Probeを置いて動く物の明るさを直す ところまでを解説します。金属の映り込みも1回試します。

ベイクした部屋の中で、机の上の小物が周囲の明るさになじんでいる

この記事でわかること

  • 動く物だけ暗くなる理由
  • Light Probeの置き方と、置く高さの目安
  • Probeを置いたあとに焼き直しが必要なこと
  • 金属に部屋を映すReflection Probe

ベイクを済ませた部屋から始めます。まだなら 照明とベイク で作れます。

Sponsored


焼き付けた光は、動く物に貼れない

ベイクは、床や壁の 表面に光を焼き付ける 仕組みです。言い換えると、動かない物のための写真を貼っています。

壁は焼き付けた光を持っているが、動く小物は空中の標本から借りる

コップやペンのように動く物は、この写真を持っていません。だから、部屋がどれだけ明るくても、自分がどれだけ照らされているかを知る手段がありません。

そこで使うのが Light Probe です。空中に 照度計を吊るしておく イメージで考えてください。

  • 壁のベイク = 部屋の写真を壁に貼った
  • Light Probe = 空中に吊るした照度計
  • 動く小物 = いちばん近い照度計の値を借りて、自分を照らす

照度計が1つもなければ、小物は「室内なのに空の明るさだけ」あるいは「ほぼ真っ暗」になります。壁だけ明るくてコップが沈むのは、故障ではなく、この仕組みの結果です。

Light Probeは明るさ、Reflection Probeは映り込み、ライトマップは焼き付けた光を担当する

役割は3つに分かれます。ライトマップが動かない面の明るさ、Light Probeが動く物の明るさ、Reflection Probeが金属やツヤのある面の映り込みです。ここを混ぜると、直す場所を間違えます。

Sponsored

実践:Light Probeを置いて焼き直す

ベイクした部屋に照度計を吊るして、小物の明るさが直るのを確かめます。

1. 比べるための球を置く

まず、変化が見える対象を用意します。

「3D Object → Sphere」を作り、ProbeTestBall と名付けて、(0, 1, 0) あたり、明るい場所と暗い隅の中間に置きます。

この球には Contribute GI を付けません。 ベイクの対象にせず、「動く物」として扱うためです。

Playして見てください。部屋は明るいのに、球だけがのっぺりと暗いはずです。これがこれから直す状態です。

2. Light Probe Groupを置く

Hierarchyの空白を右クリックして「Light → Light Probe Group」を選びます。

Inspectorの Edit Light Probes ボタンを押すと、黄色い点を編集できるようになります。このボタンを押さないと点を選べません。 押していないのに動かそうとして、グループ全体がずれる事故がよく起きます。

最初は8個の点が立方体に並んでいます。ここから増やします。

  1. 点を1つ選んで Duplicate Selected で複製し、移動して並べる
  2. 並んだ列をまとめて選んで、また複製する
  3. 高さを変えて、もう1段作る

Duplicate Selected は「選んでいる点」の複製 です。点が1つも選ばれていないと何も増えません。

3. どこに置くかを決める

均等に敷き詰めるのが目的ではありません。動く物が通る場所と、明るさが変わる境目 に置きます。

床の近く・手の高さ・頭の高さの3段に置き、壁の中の点は消す

小さな部屋なら、12〜20個 で十分です。目安はこうです。

高さ何のためか
床の近く(5〜20cm)床に置いた小物、落ちた物
手の高さ(70〜90cm)机の上の小物、持っている物
頭の高さ(140〜170cm)アバター本体

平面では、部屋の中央と、照明の下、暗い隅に置きます。明るさが大きく変わる境目(窓際と部屋の奥など)には、その境目の両側に置きます。

壁の中や床の下に埋まった点は削除してください。 残っていると、その近くを通った小物やアバターが急に暗くなります。Sceneビューを上と横から見て確認します。

Light Probeは立体的に配置し、平面だけに並べない

平らに1段だけ並べるのは避けます。高さ方向の変化を拾えないので、しゃがんだときと立ったときで明るさが同じになってしまいます。

4. 焼き直す

ここが忘れやすいところです。Probeを置いただけでは何も起きません。

Lightingウィンドウを開いて、もう一度 Generate Lighting を押します。これで各Probeに、その場所の明るさが記録されます。

焼き終わったらPlayして、ProbeTestBall を見てください。周囲の明るさになじんでいれば成功です。

球を明るい場所と暗い隅に動かして、明るさが変わることも確かめてください。位置によって値が変わる のが、Probeが効いている証拠です。

なお、Probeの位置を後から動かしたときも、焼き直しが必要です。動かしただけでは古い値のままです。

Reflection Probeは映り込みの担当

明るさが直っても、金属やツヤのある面はまだ変です。空が映っています。

これは、映り込みの情報がないと、Unityが空(Skybox)を映すためです。屋内なのに空が映るので、金属らしく見えません。

置く前は空が、置いた後は部屋が映る

直すには Reflection Probe を置きます。

  1. Hierarchyで「Light → Reflection Probe」を作る
  2. 部屋の中央、目線より少し上((0, 1.6, 0) あたり)に置く
  3. Inspectorの TypeBaked になっていることを確認する
  4. 影響する範囲(Box Size)を部屋に合わせる
  5. もう一度 Generate Lighting を実行する

確かめるには、ProbeTestBall のマテリアルで Metallic を 0.9、Smoothness を 0.8 にします。焼く前は空が、焼いた後は部屋が映ります。

Box Projection をオンにすると、映り込みが箱の形に沿って計算されるので、部屋らしい映りになります。オフだと、遠くの景色のように映ります。

Reflection Probeは1つで十分です。部屋が広い、あるいは明るさが極端に違う場所があるときだけ増やします。

Sponsored

うまくいかないときは

  • Probeを置いたのに変わらない → Generate Lighting を実行していません。置くだけでは効きません
  • 一部だけ急に暗くなる → 壁や床に埋まったProbeがあります。Edit Light Probesで探して削除します
  • 球が真っ黒のまま → その球に Contribute GI が付いていないか確認します。付いていると「動かない物」として扱われ、Probeを使いません
  • 金属に空が映る → Reflection Probeがないか、焼き直していません
  • 点が選べない → Edit Light Probes ボタンが押されていません

おまけ:先に知っておくと良いこと

  • アバターもProbeの影響を受ける: 訪れた人のアバターは動く物なので、Light Probeがないと暗く見えます。人が立つ場所には必ず置いてください
  • 点は多ければいいわけではない: 増やすほどベイク時間とデータ量が増えます。均一な部屋なら少数で十分です
  • 壁を挟んで補間される: Probeどうしは直線で結ばれて補間されるので、壁の両側にProbeがあると、隣の部屋の明るさが漏れてきます。部屋ごとに区切って置きます
  • Reflection Probeも重さになる: Realtimeにすると毎フレーム計算するので重くなります。屋内なら Baked で十分です
  • 明るさと映り込みは別問題: 「小物が暗い」はLight Probe、「金属が変」はReflection Probe。症状で切り分けます

まとめ

ベイクだけでは、動く物は照らされません。

  • 焼き付けた光は、動かない面の表面にしか貼れない
  • Light Probeは空中に吊るした照度計。動く物はそこから明るさを借りる
  • 置くのは、動く物が通る場所と明るさの境目。3段の高さで12〜20個
  • 置いたあとに Generate Lighting を実行して、はじめて記録される

症状で切り分ける問いかけは、「暗いのか、映り込みが変なのか」 です。暗いならLight Probe、映り込みならReflection Probeです。

明るさが整ったら、BGMと空間音響 で音を足すか、描画を軽くする で重さを見直します。

VRChat このセクションのノート63