【VRChat】BGMと空間音響:どこでも鳴る音と、近づくと聞こえる音

作成: 2026-09-08最終更新: 2026-09-09

部屋のどこでも同じ音量で流れるBGMと、近づくと大きくなる環境音を置き分けます。音量の目安、距離減衰の設定、会話の邪魔にならない音量の決め方を解説します。

床も光も整いました。でも入ってみると、やけに静かです。

音を足したいのですが、ここで2種類の音を区別する必要があります。部屋のどこにいても同じ音量で流れるBGM と、その場所に近づくと大きくなる環境音 です。設定を間違えると、部屋の隅にいるのに滝の音が耳元で鳴ったりします。

この記事では、この2種類を置き分けて、会話の邪魔にならない音量に決める ところまでを解説します。

部屋の隅の噴水から音の波紋が広がり、部屋全体にはうっすらBGMがかかっている

この記事でわかること

  • 2Dの音と3Dの音の作り分け
  • 距離でどこまで聞こえるかの決め方
  • 会話の邪魔にならない音量の目安
  • 音源ファイルの取り込み設定

床のあるシーンから始めます。まだなければ 最初のワールド で作れます。

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どこでも鳴る音と、その場所の音

音の置き方は2種類です。違いは 距離で変わるかどうか だけです。

2Dの音は部屋のどこでも同じ、3Dの音は近づくと大きくなる
  • 2Dの音: 部屋のどこにいても同じ音量。BGMや、全体にかける環境の雰囲気に使います
  • 3Dの音: 音源に近づくと大きく、離れると小さくなります。噴水、焚き火、機械、スピーカーに使います

Unityでは、AudioSourceの Spatial Blend という設定でこれを切り替えます。0 なら2D、1 なら3Dです。

VRChatでは、これに加えて VRC Spatial Audio Source というコンポーネントを付けます。VRChat側の距離減衰を使うためのもので、これを付けると AudioSource も一緒に追加されます。

もう1つ、先に知っておくと音量が決めやすくなります。プレイヤーの声は、既定で25mまで届きます。 BGMや環境音は、この声の下に置くのが基本です。VRChatは会話が主役の場所なので、音楽が主張しすぎると居づらくなります。

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実践:BGMと噴水の音を置き分ける

同じ音源ファイルを使って、2Dと3Dの違いを聞き比べます。

1. 確認用の音を取り込む

比較用の音を用意しました。確認用WAVをダウンロードする(モノラル・44.1kHz・16bit PCM)

Projectに Assets/Audio フォルダを作り、ダウンロードしたファイルをドラッグします。

自分の音源を使う場合は、権利を確認してください。配布サイトの規約で「ワールドに使ってよいか」が決まっています。市販の楽曲や、他のゲームから抜き出した音は使えません。

2. 2DのBGMを置く

「Create Empty」で WorldBGM を作り、Positionを (0, 1, 0) にします。

「Add Component」で VRC Spatial Audio Source を追加すると、AudioSourceも一緒に付きます。

項目設定
AudioClip取り込んだ音
Play On Awake有効
Loop有効
Volume0.12
Spatial Blend0(完全に2D)

VRC Spatial Audio Source 側では Use Spatialized Audio を無効 にします。

この2つは両方とも変えてください。 Spatial Blendだけ、あるいは空間化の無効だけを変えて「距離の影響が消えた」と判断すると、あとで食い違います。

Playして、部屋の中央・隅・入口を歩いてみてください。どこにいても音量が変わらなければ成功 です。

確かめたら、WorldBGM のAudioSourceをいったん無効にします。次の音と重ねないためです。

3. 3Dの環境音を置く

「Create Empty」で RoomSpeaker を作り、Positionを (0, 1.2, 1.5) にします。ここに噴水や焚き火があると思ってください。

同じく VRC Spatial Audio Source を追加します。

項目設定
AudioClip同じ音
Play On Awake有効
Loop有効
Volume0.25
Spatial Blend1(完全に3D)
Doppler Level0(動かない音源なので不要)

VRC Spatial Audio Source 側は、空間化を有効にして次のようにします。

項目設定意味
Gain0 dB追加の増幅はしない
Near0 mここまでは減衰しない距離
Far4 mここで聞こえなくなる距離
Volumetric Radius0 m点の音源として扱う

音源の場所が見えるように、Cubeを SpeakerMarker として (0, 1.2, 1.5)、Scale (0.3, 0.3, 0.3) に置きます。目印なので、音が出るために必要なわけではありません。

4. 距離を確かめる

Nearまでは同じ音量、Farで聞こえなくなる

Playして、音源に近づいたり離れたりしてみてください。

動き期待する結果
音源のすぐ横に立つはっきり聞こえる
3歩下がる小さくなる
部屋の反対の隅へほとんど聞こえない
音源のまわりを回る左右の聞こえ方が変わる

Far の値を 4 から 10 に変えて、もう一度歩いてみてください。部屋の隅まで聞こえるようになります。Farは「ここで聞こえなくなる距離」 です。既定は40mなので、小さな部屋では広すぎます。

Near は「ここまでは減衰しない距離」です。0のままでほとんどの場合は足ります。滝や大きな機械のように、音源自体に広がりがある場合だけ Volumetric Radius を使います。

音量は「声を張らずに話せるか」で決める

数字より、この基準のほうが確実です。

声を張らずに話せる音量がちょうどいい

出発点はこのあたりです。

用途Volumeの目安
BGM(2D)0.080.15
環境音のそば(3D)0.20.35
Gain0 のまま

Gainは先に上げないでください。 強い増幅なので、10dBでも体感はかなり大きくなります。Volumeを0.5付近まで上げても足りないときだけ検討します。

決め方の手順はこうです。

  1. Volumeを小さめにしてBuild & Testで入る
  2. 自分で声を出してみる(友達がいればなお良い)
  3. 声を張らずに話せるなら合格

判断の目安を言葉にすると、こうなります。

  • 大きすぎ: 入った瞬間に曲が主張して、会話が引っかかる
  • ちょうどいい: あると気づくが、話し始めると後ろに下がる
  • 環境音として良い: 音源のそばで「ここは噴水だ」と分かり、2〜3歩離れると会話の邪魔にならない

もう1つ、音は足し算になります。 焚き火・雨・虫の声・BGMを全部0.3にすると、個別には良くても部屋では大きすぎます。音を増やしたら、全体をもう一段下げてください。

エディタのヘッドホンとVRChatでの聞こえ方は一致しません。最終確認は必ず実際のVRChatで行います。

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うまくいかないときは

  • 音が出ない → AudioClipが入っているか、Play On Awakeが有効か、Volumeが0でないか、Muteが入っていないか
  • 3Dにしたのにどこでも同じ音量 → Spatial Blendが 1 か、VRC Spatial Audio Sourceの空間化が有効か。両方を確認します
  • 遠くでも大きい → Farが大きすぎます。または実は2Dのままです
  • そばでも小さい → Volumeを上げます。それでも小さいなら、元のファイル自体が小さい可能性があります
  • 音が割れる → Volume 1にGainを足しています。Volumeを下げてください

おまけ:先に知っておくと良いこと

  • 3Dの音はモノラルにする: 取り込み設定で Force To Mono を有効にすると、音の方向が安定して、容量も減ります。2DのBGMはステレオのままで構いません
  • 長い音はStreamingに: BGMのような長いファイルは、Load Typeを Streaming にするとメモリを節約できます。短い効果音は Decompress On Load が向きます
  • Play On Awakeを切る場面もある: ボタンで鳴らす音は、入った瞬間に鳴ってほしくありません。ボタンで切り替える で扱います
  • QuestやスマホではAudioSourceに制限がある: 同時に鳴る数を減らし、常時ループを控えめにします。長い音は圧縮を強めにします
  • 音量を訪問者が変えられるようにする: BGMの音量をワールド内のスライダーで調整できると親切です。ワールド内UIを作る で扱います

まとめ

音は、距離で変わるかどうかで2つに分かれます。

  • 2Dはどこでも同じ音量、3Dは近づくと大きくなる
  • Spatial Blendと、VRC Spatial Audio Sourceの空間化は両方そろえる
  • Farは「ここで聞こえなくなる距離」。小さな部屋なら4〜10m
  • 音量は数字ではなく「声を張らずに話せるか」で決める

置いたあとの問いかけは、「この音があるまま、普通に会話できるか?」 です。できなければ、どんなに良い曲でも下げます。

音が決まったら、AudioLinkで音に反応する壁を作る で音に合わせて光らせるか、入口から席までの導線 で居場所を整えます。

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