【VRChat】Cubeで部屋と階段を作る:VRで気持ちよく歩ける寸法

作成: 2026-09-08最終更新: 2026-09-09

6m四方の床に壁を立て、幅1.6mの入口と3段の階段を作ります。VRで狭く感じない寸法の基準、見た目と当たり判定の分け方、階段で引っかからない作り方を解説します。

床に立てるようになったら、次は壁を置いて部屋にします。ただし、現実の部屋と同じ寸法で作ると、VRで入ったときに驚くほど狭く感じます。

天井が低くて頭に迫り、ドアの枠に肩が当たり、階段で足が引っかかる。見た目は正しいのに、居心地が悪い部屋になります。

この記事では、6m四方の床に壁と幅1.6mの入口と3段の階段を作り、VRで歩いて気持ちよい寸法 に整えるところまでを解説します。

灰色の箱だけで作った部屋と階段、入口を通る様子

この記事でわかること

  • VRで狭く感じない、通路・入口・天井の寸法
  • Cubeの中心から壁の位置を決める計算
  • 見た目と当たり判定が別物であることの確かめ方
  • 階段で引っかからないようにする2つの方法

6m四方(上面がY=0)の床から始めます。まだなければ 最初のワールド で作れます。

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色を塗る前に、段ボールで部屋を作る

いきなり家具やテクスチャを置きたくなりますが、先にやることがあります。

色も壁紙もまだ貼らず、灰色の箱だけで部屋の大きさを作って、中を歩いてみる。 これを ブロックアウト と呼びます。料理でいえば、盛り付けの前に器の大きさを決める作業です。

この順番には理由があります。壁を1枚動かすのは、灰色の箱のうちなら10秒です。壁にテクスチャを貼り、照明を焼き込み、家具を並べたあとでは、同じ作業が数時間になります。

このあと確かめるのは、きれいさではありません。自分の体でその空間を通れるか です。

VRで気持ちよく感じる寸法

VRでは、デスクトップの画面で見るより狭く、低く、近く感じます。現実の日本の部屋をそのまま置くと、ほとんどの人が「天井が落ちてくる」と言います。

目線1.6m、入口1.6m、天井3.0m、通路1.5mの寸法基準

出発点にする数字はこれです。

場所現実の寸法VRChatで使う寸法
目線の高さ約1.6m同じ(スイッチや看板の基準)
ドア・入口の幅約0.8m1.4〜1.6m
入口の高さ2.0m2.2m以上
通路の幅約0.9m1.5〜1.8m
天井の高さ約2.4m3.0m

現実の1.3倍から1.5倍、と覚えておくとだいたい合います。特に天井は盛ります。

理由は、アバターの体格差と、頭の動きです。VRでは前かがみになったり首を振ったりするので、壁や枠が近いとすぐ視界に入り込みます。背の高いアバターや、髪や耳の大きいアバターもいます。現実のドア幅では、毎回どこかにぶつかります。

段差にも基準があります。1段は0.15〜0.20mまで、踏み込む奥行き(踏面)は 0.35m以上 です。0.3mを超える段は、歩いて上がれずにジャンプが必要になることがあります。VRのスムーズ移動ではジャンプしにくいので、歩いて上がれる高さにしておきます。

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実践:壁と入口と階段を置く

ここから手を動かします。完成すると、入口から入って部屋を一周でき、右奥の階段を歩いて上り下りできます。

置くCubeはすべて、Hierarchyの最上位に、Rotationを (0, 0, 0) で作ります。親を付けると、親のScaleが子の大きさにも掛かって計算が合わなくなります。

座標は、中心から半分ずつ数える

UnityのCubeのPositionは、箱の 中心 を指します。ここを押さえると、以降の数字が自分で出せます。

上端 = 中心Y + 高さ / 2
下端 = 中心Y - 高さ / 2
右端 = 中心X + 幅 / 2
左端 = 中心X - 幅 / 2

高さ3mの壁を床(上面Y=0)に立てるなら、中心のYは 1.5 です。Yを0にすると、壁の下半分が床に埋まります。

1. 奥と左右の壁を立てる

「3D Object → Cube」で3つ作り、次の値を入れます。

名前Position (X, Y, Z)Scale (X, Y, Z)
BackWall(0, 1.5, 2.9)(6, 3, 0.2)
LeftWall(-2.9, 1.5, 0)(0.2, 3, 6)
RightWall(2.9, 1.5, 0)(0.2, 3, 6)

厚さは0.2mにします。VRで顔を壁に近づけたとき、薄すぎる壁は頭が突き抜けて反対側が見えます。0.15m以上あれば安心です。

中心を2.9に置くのは、厚さ0.2の半分を足した外側の端が3になるからです。床の外周とそろいます。ここで注意したいのは、部屋の内側の幅は6mではなく5.6m になることです。壁の内側の面はX=-2.8と2.8にあります。

角では壁どうしが重なりますが、そのままにします。ぴったり突き合わせると数cmの隙間ができて、そこから外が見えたり、すり抜けたりします。

2. 3枚に分けて入口を作る

手前の壁は、1枚に穴を開けるのではなく、左右と上の3枚に分けます。中央の空いた部分が入口になります。

左右の壁と上の梁で、幅1.6m・高さ2.2mの入口を残す
名前Position (X, Y, Z)Scale (X, Y, Z)
FrontLeft(-1.9, 1.5, -2.9)(2.2, 3, 0.2)
FrontRight(1.9, 1.5, -2.9)(2.2, 3, 0.2)
Lintel(0, 2.6, -2.9)(1.6, 0.8, 0.2)

FrontLeftの右端は -1.9 + 2.2 / 2 = -0.8、FrontRightの左端は 1.9 - 2.2 / 2 = 0.8 です。あいだの1.6mが通り道になります。

Lintel(リンテル)は入口の上に渡す横木のことです。下端が 2.6 - 0.8 / 2 = 2.2 なので、入口の高さは2.2mになります。これがないと、入口の上から外の空が見えてしまいます。

入口の外はまだ床がないので、出た瞬間に落ちます。前庭を1枚足しておきます。

名前Position (X, Y, Z)Scale (X, Y, Z)
EntranceFloor(0, -0.1, -4)(3, 0.2, 2)

天井はまだ置きません。暗くなって中の作業が見えなくなるので、照明を整える段階で足します。

3. 3段の階段と踊り場を作る

部屋の右側に段差を作ります。段は空中に浮かべず、床から生やして上面の高さを変える 形にします。段どうしの隙間ができにくく、当たり判定が安定します。

名前Position (X, Y, Z)Scale (X, Y, Z)上面の高さ
Step1(1.6, 0.075, 0)(1.2, 0.15, 0.35)0.15m
Step2(1.6, 0.15, 0.35)(1.2, 0.3, 0.35)0.30m
Step3(1.6, 0.225, 0.7)(1.2, 0.45, 0.35)0.45m
Platform(1.6, 0.225, 1.275)(1.2, 0.45, 0.8)0.45m

1段0.15m、踏面0.35mです。歩いて上がれる範囲に収まっています。

奥行きも確かめます。Step3の後端は 0.7 + 0.35 / 2 = 0.875、Platformの前端は 1.275 - 0.8 / 2 = 0.875 で、ぴったり接します。

Platform(踊り場)を忘れないでください。3段だけ置いて上に床がないと、登りきった先で裏側に落ちます。

4. 歩いて確かめる

シーンを保存してPlayします。次の順に歩いてみてください。

経路見るところ
スポーンから部屋の中央へ壁や階段に埋まって出現していないか
入口を通って前庭へ出るしゃがまずに、まっすぐ通り抜けられるか
部屋の四隅へ回る壁をすり抜けないか、角で引っかからないか
階段を正面から上るジャンプなしで上がれるか
階段を斜めから上る段の角で止まらないか
踊り場から降りる裏側に落ちないか

全部通れたら、この記事の目標は達成です。

5. 階段で引っかかるときは、坂を重ねる

階段を上るとき、視点が細かく上下したり、段の角で足が止まったりすることがあります。段の上面と隣の段の側面の境目を、足が行ったり来たりするために起こります。

そのときは、見た目は段のまま、足が乗る判定だけを1枚の坂にします

段の形のままだと角で引っかかるが、上に坂を重ねるとなめらかに登れる
  1. Cubeを1つ作り、名前を StairRamp にする
  2. 階段の先端をつなぐように傾ける(今回の3段なら、X軸の回転で約23度)
  3. 幅は階段と同じ1.2m、長さは1段目の手前から踊り場の上面まで届かせる
  4. StairRampMesh Renderer のチェックを外す(見えなくなり、判定だけ残る)
  5. Step1 から Step3 の Box Collider のチェックを外す

これで足は坂の上を滑らかに歩き、目には段が見えます。VRChatのワールドでは定番の作り方です。

坂の角度は45度を超えないようにしてください。それより急だと登れなくなります。今回の3段(高さ0.45m、奥行き1.05m)なら約23度なので、余裕があります。

3段くらいなら坂は必須ではありません。実際に歩いてみて、引っかかるようなら試してみてください。

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見た目と当たり判定は別物

Cubeを作ると、形を描く Mesh Renderer と、ぶつかる形の Box Collider が同時に付きます。この2つは別々に切り替えられます。

Meshだけ、Colliderだけ、両方がある場合の違い

Play中に BackWall を選び、Inspectorで片方ずつチェックを外してみてください。

Mesh RendererBox Collider見え方と歩き心地
有効無効壁が見えるのに、歩いて通り抜ける
無効有効何もないのに、そこで止まる
有効有効見える壁の位置で止まる

GameObject自体を無効にすると両方消えるので、この比較にはなりません。コンポーネントごとのチェック を切り替えてください。

この2つを分けて考えられると、トラブルの原因がすぐ絞れます。「見えるのに通れない」なら余計なColliderが残っていて、「見えないのに止まる」なら消し忘れたColliderがあります。すり抜ける飾りや落ちる箱の作り分けは、当たり判定の基礎 にまとめています。

壁にPlaneを使わないのも、同じ理由です。Planeは片面しか描かれないので、部屋の内側から見ると壁が消えます。Cubeなら6面あるので、どちらから見ても壁です。

うまくいかないときは

  • 入口が見えるのに通れない → 分割前の大きな壁のColliderが残っていないか。または Lintel が下がりすぎていないか
  • 壁の半分が床に埋まる → PositionのYを、壁の高さの半分(3mなら1.5)にします
  • 階段の途中で落ちる → 段と踊り場のZ方向の端が接しているか。数値を計算し直します
  • 数値は正しいのに位置がずれる → 親オブジェクトのScaleやRotationが掛かっていないか。CubeはHierarchyの最上位に置きます

おまけ:先に知っておくと良いこと

  • Scaleをマイナスにしない: 大きさを反転させると法線が裏返り、壁が消えたように見えます。向きを変えたいときはRotationを使います
  • 複雑な形の当たり判定は、箱の組み合わせで: Mesh Colliderは見た目どおりの判定を作れますが重くなります。壁・床・階段はBox Colliderの組み合わせが軽くて安定します
  • グリッド吸着で正確に並べる: Ctrl を押しながらドラッグすると、決めた間隔で動きます。細かい位置合わせはTransformに数値を直接入れるのが確実です
  • 座って遊ぶ人もいる: VRを座位で使う人の目線は1.1m前後まで下がります。重要な看板やボタンは、少し低めでも読める位置にすると親切です
  • 床を広げすぎない: 何もない6mはまだ部屋に感じますが、何もない12mは空き地に見えます。広げるより、段差や仕切りで場所に意味を作るほうが効きます

まとめ

ブロックアウトは、灰色の箱で「通れるか」を確かめる作業です。

  • VRでは現実の1.3〜1.5倍。天井3.0m、入口1.6m、通路1.5mから始める
  • CubeのPositionは中心。端の位置は「中心 ± 半分」で計算する
  • 見た目のMesh Rendererと、ぶつかるBox Colliderは別々に切り替えられる
  • 階段で引っかかるなら、見た目は段のまま、判定だけ坂にする

歩き終えたときの問いかけは、「しゃがまずに、止まらずに一周できたか?」 です。ここが通れば、色を塗る段階へ進めます。

床や壁の見た目を整えるなら マテリアルとテクスチャ へ、明るさを作るなら 照明とベイク へ進みます。人が自然に歩く配置を考えたくなったら、入口から席までの導線 が役に立ちます。

VRChat このセクションのノート63