部屋はできました。空も決めました。それでも、どこか止まって見えます。
動いているものが1つもない からです。ゆらめく光、立ちのぼる粒、舞う埃。小さな動きが1つあるだけで、空間は生きているように見えます。
この記事では、立ちのぼる光の粒を1つ 作ります。あわせて、パーティクルが重くなる本当の理由も見ていきます。
この記事でわかること
- 最初に触る5つの設定
- 光の粒を作る最短手順
- 粒の数より、覆う面積が重いこと
- 見栄えを上げる2つの小技
マテリアルとテクスチャ を読んだ状態から始めます。
触るのは5つだけ
Particle Systemを追加すると、Inspectorに20以上の折りたたみが現れます。全部を理解する必要はありません。
最初に触るのは5つだけです。

| 設定 | 決めるもの | 置き場所 |
|---|---|---|
| Looping | 繰り返すか、1回 で終わるか | Main |
| Start Lifetime | 1粒が消えるまでの秒数 | Main |
| Start Speed | 出たときの速さ | Main |
| Start Size | 1粒の大きさ | Main |
| Rate over Time | 1秒あたり何個出すか | Emission |
この5つで、たいていの演出は形になります。
決め方の感覚も、言葉にしておきます。
- ずっと出したいもの(湯気、埃、光の粒)は Looping をオン
- 一度きりのもの(爆発、拾ったときの光)は Looping をオフ
- Start Lifetime と Start Speed で、届く高さが決まります。 速さ × 秒数が、おおよその移動距離です
- Rate over Time は、まず小さい値から。 いきなり100にすると、どれが1粒か分からなくなります
実践:立ちのぼる光の粒を作る
床の一角から、光の粒が静かに立ちのぼる演出を作ります。
1. 粒の絵を用意する
まず、1粒の見た目を決めます。
Projectウィンドウで右クリックして「Create → Material」を選び、GlowParticle と名付けます。Shaderの欄で Particles → Standard Unlit を選びます。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| Rendering Mode | Additive(重なると明るくなる) |
| Color | 淡い水色や白 |
| Albedo(テクスチャ) | 中心が明るく、周囲が透ける小さな丸の画像 |
丸の画像が手元になければ、テクスチャなしでも構いません。四角い粒になりますが、小さくすれば気になりません。
Additive にしているのは、光として見せたいからです。重なった部分がより明るくなり、光っている感じが出ます。
2. Particle Systemを置く
Hierarchyで右クリックして「Effects → Particle System」を選び、GlowMotes と名付けます。(0, 0.1, 3) あたり、床のすぐ上に置きます。
追加した瞬間から、白い粒が勢いよく噴き出しているはずです。ここから5つの設定を変えていきます。
Mainの折りたたみで、次のようにします。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Duration | 5 |
| Looping | オン |
| Start Lifetime | 4 |
| Start Speed | 0.3 |
| Start Size | 0.08 |
| Max Particles | 100 |
Emissionの折りたたみで、Rate over Time を 8 にします。
Rendererの折りたたみで、Materialに GlowParticle をドラッグします。
この時点で、ゆっくり上へのぼる小さな光になっているはずです。
3. 出る形を決める
Shapeの折りたたみを開きます。出る範囲と向きを決めるところです。
| Shape | 出方 | 向いているもの |
|---|---|---|
| Cone | 円錐状に広がる | 噴水、炎、噴き出す蒸気 |
| Box | 箱の中からまんべんなく | 部屋に漂う埃、雪 |
| Sphere | 球状に全方向へ | 爆発、拾ったときの光 |
今回は床から立ちのぼる光なので、次のようにします。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Shape | Box |
| Scale | (2, 0.1, 2) |
薄い板の中から、まんべんなく粒が生まれるようになりました。1点から噴き出すより自然に見えます。
4. 消えぎわを作る
いまのままだと、粒が寿命の瞬間に ぱっと消えます。 ここに手を入れると、一気にそれらしくなります。
Color over Lifetime の折りたたみを有効にします。色の欄をクリックすると、グラデーションの編集画面が開きます。
上側にある不透明度のつまみを、次のようにします。
| 位置 | 不透明度 |
|---|---|
| 0% (生まれた瞬間) | 0 |
| 20% | 255 |
| 100%(消える瞬間) | 0 |
ふわっと現れて、ふわっと消えるようになりました。
もう1つ、Size over Lifetime も有効にすると、寿命に合わせて大きさが変わります。だんだん小さくなる曲線を選ぶと、消えぎわがさらに自然になります。
この2つだけで、見え方は大きく変わります。 他のモジュールは、しばらく触らなくて構いません。
5. 重さを目で見る
ここからが、この記事のもう1つの目的です。

Playした状態で、Gameビューの「Stats」を開きます。いまの数字を控えます。
そのうえで、次の2つを 別々に 試してください。
| 試すこと | 変える値 | 見た目 | 重さ |
|---|---|---|---|
| A:粒を10倍に増やす | Rate over Time を 80 | 密になる | あまり変わらない |
| B:粒を10倍に大きくする | Start Size を 0.8 | 画面が光で埋まる | はっきり重くなる |
Bのほうが重く なります。 数を増やしたときより、大きさを増やしたときのほうがこたえます。
理由は次の節で説明します。確かめたら、0.08 と 8 に戻してください。
重いのは、数ではなく面積
半透明のものは、後ろにあるものを消さずに、上から重ねて描かれます。

粒が3枚重なっていれば、その部分は3回塗られます。10枚重なれば10回です。この重ね塗りを オーバードロー と呼びます。
だから、こうなります。
| 状況 | 重さ |
|---|---|
| 小さい粒が100個、ばらけている | 軽い |
| 大きい粒が10個、画面いっぱいに重なっている | 重い |
「粒の数」ではなく「画面のどれだけを、何回塗るか」が効きます。
軽くする手順も、ここから決まります。
- 粒を小さくする(いちばん効く)
- カメラに近づけすぎない。目の前で大きく広がる配置を避ける
- 数を減らす
- 見えない場所のパーティクルは、オブジェクトごと無効にする
逆に言えば、小さい粒なら数を出しても大丈夫です。 ばらけた光の粒を100個出すのは、多くの場合まったく問題になりません。
Quest向けにも作るなら、ここは特に効きます。画面を覆う大きな半透明は、最初に削る候補です。
うまくいかないときは
- 粒が見えない → Start Sizeが小さすぎるか、マテリアルが割り当たっていません
- 粒が四角い → テクスチャがありません。丸い画像を入れるか、小さくして目立たなくします
- 勢いよく飛び散る → Start Speedが大きすぎます。
0.3くらいから試します - ぱっと消えて不自然 → Color over Lifetime で消えぎわを作ります
- 重い → Start Size を下げます。数より先に大きさを見ます
- 1点から噴き出して不自然 → Shapeを
Boxにして、範囲を広げます
おまけ:先に知っておくと良いこと
- パーティクルは同期されない: 各自の画面でそれぞれ再生されます。演出なら問題ありませんが、「いま花火が上がった」を全員でそろえたいなら Network Events で合図を送ります
- Play On Awakeを切ると、押したときに出せる: Udonから
Play()を呼べば、ボタンで演出を出せます。拾ったときの光、ゴールの祝福などに使えます - 止まっている部屋に1つ足すだけで効く: 揺れる光、漂う埃、湯気 。動くものが1つあるだけで、空間の印象が変わります
- Max Particlesは保険: 設定を間違えて大量に出たときの上限です。低めにしておくと、事故を防げます
- 使いどころはいろいろ: 焚き火の火の粉、水中の泡、魔法の演出、雪や雨、ゴールの紙吹雪。どれも同じ5つの設定から始まります
まとめ
パーティクルは、5つの設定で形になります。
- Looping・Start Lifetime・Start Speed・Start Size・Rate over Time
- 出る形は Shape で決める。床から出すなら平たい Box
- Color over Lifetime で消えぎわを作ると、一気にそれらしくなる
- 重いのは数ではなく、画面を覆う面積
置く前の問いかけは、「これは画面のどれくらいを覆うか」 です。小さければ、数はあまり気にしなくて構いません。
空と霧で雰囲気を決めるなら 空と霧で雰囲気を決める、描画を軽くするなら 描画を軽くする へ進んでください。