【Godot】Godotエディタ入門:4つのドックの役割を覚えて、画像を1枚置いて実行する

作成: 2026-09-22最終更新: 2026-10-10

インストール直後の画面で迷わないように、4つのドックのつながりと F5・F6 の違いを押さえ、画像を1枚置いて実行するまでを解説します。

Godot を入れたら、最初に覚えるのはエディタの4つのドックです。左下でファイルを開き、左上で部品を選び、右で設定を変えて、実行して確かめる、という流れが分かれば、画像を1枚置いて動かすところまで迷わずに進めます。

流れが見えないうちは、画面がいくつもの小窓に分かれていて、どこから触ればいいか分かりません。足した部品を左下の一覧で探して、見当たらずに戸惑うこともあります。

この記事では、4つのドックと中央のビューポートの役割と、画像を1枚置いて実行するまでを解説します。

4つに区切られたエディタ画面を見上げる人形。ドックの配置を覚えるところから始める

この記事でわかること

  • 4つのドックが「ファイル一覧 → 開いた中身 → 選んだ1つ」でつながっていること
  • 中央のビューポートと、2D・3D の切り替え
  • F5 と F6 が実行するものの違い
  • 画像を1枚置いて、画面の中央に出すまで

動作確認環境: Godot 4.7

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4つのドックのつながり

Godotのエディタは、周りに並ぶ小窓と、中央の広い画面(ビューポート。シーンの見た目を映す場所)でできています。小窓のことをドックと呼びます。たくさんありますが、最初に覚えるのは4つです。

左下のファイルシステムで開くと左上のシーンに中身が並び、選ぶと右のインスペクターに設定が出る
場所ドック何が入っているか
左上シーン(Scene)いま開いているシーンの中身の一覧
左下ファイルシステム(FileSystem)プロジェクトに保存されたファイルの一覧
右インスペクター(Inspector)左上で選んでいる1つの設定
画面下出力(Output)実行したときの記録

4つは、左下から右へ1本の流れでつながっています。 左下のファイルシステムでシーンのファイル(.tscn)を開くと、その中身が左上に並びます。左上で1行を選ぶと、その設定が右に出ます。中央のビューポートには左上に開いているものの見た目が映り、実行したときの記録は画面下の出力に出ます。新しいシーンは左上で作り始め、保存したときにファイルシステムへファイルとして並びます。

初日に迷う場面は、ほとんどがこの流れのどこを見ているかの取り違えです。足した部品を左下で探す、選んでいる行がずれたまま右を見る、開いているものとは別のファイルを F5 で起動する。どれも、この流れで説明できます。

他のエンジンでいうと: 役割で見ると、シーン・ファイルシステム・インスペクター・出力は、Unity の Hierarchy・Project・Inspector・Console に近い画面です。Unreal Engine では、おおむね Outliner・Content Browser・Details・Output Log にあたります。

エディタは既定で OS の言語で表示されるので、ドックやボタンは日本語で並んでいるはずです。この記事では、ドックの名前は日本語と英語を並べ、ボタンやメニューは英語の名前で書きます。インスペクターの項目名(Texture・Position など)は、日本語表示でも英語のまま出ます。右側や画面下にはほかのタブも並んでいますが、しばらく触らなくて構いません。

中央のビューポート(2D と 3D)

中央のビューポートの上には、2D・3D・Script・Game・Asset Store のタブが並んでいます。2D と 3D は、左上に開いているものを2つの画面から見る切り替えで、切り替えても作ったものは消えません。残りの3つは別の仕事で、Script はコードを書く場所、Game は実行中のゲームを映す場所、Asset Store は素材を探して取り込む場所です。

開いた直後は3Dの画面が選ばれていて、2Dを押すと同じシーンを2Dの画面で見られる。中身は消えない

新規プロジェクトを開いた直後は 3D が選ばれていて、中央には格子が広がっています。3Dの画面には2Dの部品が描かれませんが、まだ何も置いていないので、このままで構いません。左上で 2D Scene を作ると、ビューポートは自動で 2D に切り替わります。自分で 3D を押して2Dの部品が見えなくなったときは、2D タブで戻ります。

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シーンドックとファイルシステムの違い

左上と左下は、どちらも「シーン」という言葉に関係するのに、映しているものが違います。

左下のファイルシステムには、保存されたファイルが並びます。画像も音も、シーンを保存した .tscn もここです。左上には、いま開いている1つのシーンの中身が並びます。まだ保存していないものも、ここには出ています。

左下のファイルシステムには保存されたファイルが並び、左上には開いているシーンの中身の部品が並ぶ

部品を足したのに左下を探して「消えた」と思う、という間違いがここで起きます。左上に並ぶ部品(Godotではノードと呼びます)はファイルではないので、ファイルシステムには並びません。 足した部品の名前は、左上だけを見てください。

ファイルシステムに並ぶファイルは、ダブルクリックで開きます。

ダブルクリックはそのファイルを開き、ドラッグはいま開いているシーンの中へ部品として入れる

.tscn を中央や左上へドラッグすると、そのファイルは開かず、いま開いているシーンの中へ部品として入ります。便利な操作ですが、開くつもりでドラッグして「知らないものが増えた」と驚く人が多いところです。

インスペクター(選んだ1つの設定)

右のインスペクターには、プロジェクト全体の設定ではなく、いま選んでいる1つの設定が出ます。左上で青くなっている行を切り替えるたびに、右の中身もまるごと入れ替わります。

左上で選んだ1つの部品が、右のインスペクターの数値と中央の見た目の3か所に映っている

慣れてくると、中央から触らなくなります。目は左上の行を追い、右でその設定を見て、中央は結果の確認に使います。中央をクリックすると、重なっている別のものを掴んでしまうことがあるからです。左上の行を押せば、選んだものが必ず確定します。

「絵が消えた」「右の項目が別物になった」と思ったときは、中央を凝視する前に左上の青い行を見てください。たいていは、選んでいるものがずれているだけです。

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実行キー(F5 と F6)

Godotには実行キーが2つあります。ここを知らないと、編集している画面と違うものが起動して混乱します。

  • F5: プロジェクトの「メインシーン」(最初に起動するシーン)を実行する
  • F6: いま開いているシーンを実行する
  • F8: 実行中のゲームを止める
F5はファイルシステムで色の付いたメインシーンを起動し、F6はいま開いているシーンを起動する

キーが効かないノートPCでは、右上のボタンで同じことができます。左端の再生ボタンが F5、四角の停止ボタンが F8 で、少し右にある「いまのシーンを実行」のボタンが F6 です。マウスを乗せると説明が出ます。

最初に F5 を押すと、メインシーンがまだ決まっていないのでダイアログが出ます。ボタンは3つで、保存済みのシーンから選ぶ Select、いま編集しているシーンをメインにする Select Current、取りやめる Cancel です。初日は Select Current で足ります。

メインシーンに決めたファイルは、左下のファイルシステムで名前の色が変わります。星などの印は付かないので、色の違いで見分けます。

シーンが2つ以上になってから、F5 と F6 の違いが効いてきます。メインシーンを決めたあとで別のシーンを開き、F5 を押すと、画面に見えているものではなくメインシーンが起動します。いま作っているものを試したいときは F6 です。

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実践:画像を1枚置いて、画面の中央に出す

横スクロールの主人公も、パズルのブロックも、タイトル画面のロゴも —— 最初は画像を1枚置くところから始まります。左上に部品を足し、ファイルシステムから画像を運び、右で位置を決めて、実行して確かめます。この往復で、4つのドックの流れが一周します。

① 置くもの

Godotを起動すると、最初にプロジェクトの一覧画面(プロジェクトマネージャ)が開きます。ここで新規プロジェクトを作ります。場所は空のフォルダを選び、レンダラー(画面の描き方)は、2Dでも Forward+ のままで構いません。

開いたら、左上のシーンドックにある 2D Scene のボタンを押します。Node2D という部品が1つでき、中央のビューポートも 2D に切り替わります。

Node2D            ← ルート(いちばん上の部品)
└── Sprite2D      ← これから足す

Node2D は部品をまとめる入れ物で、画像を描く欄を持っていません。画像を出すのは、その下に足す Sprite2D です。Node2D を選んだ状態で、左上の「+」ボタン(Add Child Node)を押します。部品を探すウィンドウが開くので、検索欄に Sprite2D と入れて、出てきた Sprite2D をダブルクリックしてください。選んでいた Node2D の子(下にぶら下がる部品)として足されます。

② 画像を入れて、位置を決める

左上で Sprite2D を選びます。右のインスペクターの中身が入れ替わり、Texture(この部品が描く画像)という項目が出てきます。

左下のファイルシステムから icon.svg(新規プロジェクトに最初から入っている、Godotのアイコン画像)を探して、右の Texture の枠へドラッグしてください。ファイルシステムから右へ運ぶ、という往復がここで1回起きています。

ビューポートには、薄い青の枠が見えています。これがゲーム画面の範囲で、既定の大きさは 1152 × 648 です。Sprite2D は画像の中心を位置に合わせるので、位置が (0, 0) のいまは、枠の左上の角に画像の中心が来ています。枠に入っているのは、画像の右下の4分の1だけです。

青い枠がゲーム画面の範囲。位置(0, 0)ではアイコンの4分の1だけが枠に入り、(576, 324)で中央に来る

右のインスペクターで Transform(位置や回転をまとめた見出し)を開き、Position の x に 576、y に 324 と入れてください。枠の大きさのちょうど半分なので、画像が枠の真ん中に来ます。Godot の2Dでは、y は下へ行くほど大きくなります。打ち込むと、中央の画像がその場で動きます。右の数値と中央の見た目がつながっていることを、ここで一度見ておいてください。

最後に Ctrl + S で保存します。保存先を聞かれるので、プロジェクトの直下に main.tscn という名前で保存してください。ダイアログに出る res:// は、プロジェクトのフォルダを指す書き方です。保存した瞬間、左下のファイルシステムに main.tscn が現れます。

③ 動かして確かめる

実行すると、暗い灰色のゲーム画面の中央にアイコンが1つ出て、出力にGodotの版が表示される

F6 を押して実行します。見るのは3つです。

まず、上にツールバーの付いた別のウィンドウが開き、暗い灰色の背景の真ん中に Godot のアイコンが1つ出ます。背景の灰色は既定の色です。端に寄っているなら Position の数値を、何も出ないなら Texture に画像が入っているかを確かめます。画面下の「出力」には、Godotの版や描画の方式が数行出ます。スクリプトが無いので、自分で出した文字はありません。

次に、実行したまま、右のインスペクターで Position の x を 300 に変えます。ゲームの中のアイコンも左へ動きます。Debug メニューの Synchronize Scene Changes(エディタで変えた値を、実行中のゲームへ送る設定)が既定でオンなので、実行中の変更もゲームへ届きます。確かめたら x を 576 に戻し、F8 で止めます。

仕上げに F5 を押します。メインシーンを聞かれるので Select Current を選ぶと、F6 と同じ画面が出ます。止めたあとで左下のファイルシステムを見ると、main.tscn の名前だけ色が変わっています。ファイルシステムから運んだ画像が、右で決めた位置に、実行したゲームの中で映っています。

ポイントは2つです。

  • ドックは流れで覚える: ファイルシステムから開く、左上で選ぶ、右で決める、実行して確かめる。新しい機能に出会っても、この流れのどこの仕事かを先に決めると迷いません
  • 見えないときは、左上の青い行から見る: 選んでいる行がずれていないか、F5 が別のメインシーンを起動していないか。保存したあとなら、作ったものが本当に消えることはまずありません

うまくいかないときは

症状原因直し方
左上や右のドックが消えたドックの閉じるボタンを押したメニューの Editor → Editor Layout → Default で元の配置に戻す
右の欄が、見たことのない項目に変わった左下で画像などのファイルをダブルクリックすると、右にそのファイル自身の設定が出る左上で部品の行を選び直す
エディタでは見えるのに、実行すると映らないビューポートの青い枠(ゲーム画面の範囲)の外に置いている画像全体が枠に入る位置へ動かす。Position は画像の中心の位置
閉じたら、置いた部品が消えた一度も保存していないシーンを、保存せずに閉じた。部品は保存するまでファイルにならない作り直して、閉じる前に Ctrl + S で保存する

おまけ:先に知っておくと良いこと

  • 名前の無いシーンは、実行前に保存を聞かれる: 一度も保存していないシーンで F6 を押すと、先に保存を求められます。一度保存したあとなら、変更したまま実行しても既定では自動で保存されます
  • 画像は置くだけでファイルシステムに並ぶ: PNGをプロジェクトのフォルダへ入れると、Godotが自動で取り込み、左下のファイルシステムに並びます。取り込みの設定を触る必要は、しばらくありません
  • 次に読むもの: 左上に並んでいたものが何なのかは シーンとノード入門、フォルダの分け方は プロジェクト整理、レンダラーの選び方など作り始める前に決めておく設定は プロジェクトの初期設定 にあります。何をどの順で覚えるかは 学習ロードマップ にまとめました

まとめ

  • 覚えるドックは4つ: 左上「シーン」、左下「ファイルシステム」、右「インスペクター」、下「出力」
  • 4つは流れでつながる: 左下のファイルシステムで開き、左上で選び、右で決める。中央はその見た目
  • 開いた直後は 3D: 2D Scene を作ると 2D に切り替わる
  • 開くか、入れるか: ファイルシステムに並ぶファイルは、ダブルクリックで開き、ドラッグするといまのシーンの中へ入る
  • F5 と F6: F5 はメインシーン、F6 はいま開いているシーン。メインシーンはファイルシステムで名前の色が変わる

まずは Sprite2D を1枚置いて、F6 を押してみてください。灰色の画面にアイコンが1つ出れば、エディタの流れはもう一周しています。次は、そのアイコンを何の絵に差し替えますか。

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