【Unreal Engine】Fabで無料アセットを手に入れてプロジェクトに入れる

作成: 2026-07-23最終更新: 2026-09-05

Fabで無料の家具や小物を探し、UE5へ追加する入門。価格・対応形式・ライセンスの確認から、検証用プロジェクトでの見た目や当たり判定の点検、Migrateで使う分を移す手順まで説明します。

白い箱だけで作った部屋に、机や椅子を置きたい。そんなときは、既製の素材を使うと、家具の形を一から作る前に部屋の雰囲気を試せます。ゲームで使うモデル・画像・音などの素材を アセット と呼びます。

ところが、いざアセットを使おうとすると、「どこで探すのか」「無料でいいのか」「どうやってプロジェクトに入れるのか」で最初の一歩が止まります。UE5の公式ストア Fab は、探す・確認する・入れるの全部を担う入り口です。この記事では、Fabで無料アセットを見つけてプロジェクトへ入れ、検証用から本番へ安全に移すまでを、殺風景な部屋を飾りながら解説します。

Fabのストアからアセットを取り出し、殺風景な部屋に机や小物を並べるソフトブルーのクレイ人形

この記事でわかること

  • Fabとは何か(旧Marketplace・Quixel・Sketchfabの 統合ストア
  • 価格とUE向けの形式を絞って、無料アセットを探す方法
  • ライセンス の読み方と商用利用の注意
  • Epic Games Launcherの 「ライブラリ」から追加 する流れ
  • Migrate で検証用から本番へアセットを引っ越す
  • 実践:小物を置き、大きさ・当たり判定・見た目まで確かめる

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Fabとは何か

Fab は、Epic Gamesが運営するデジタル素材のストアです。UE Marketplaceなどの販売機能を引き継ぎ、UE向けアセットに加えて、ほかの制作ツールでも使うモデルや素材を扱っています。

旧UE Marketplace・Quixel Megascans・Sketchfabの3つの流れが、Fabという1つのストアに合流する図
  • 旧UE Marketplace: UE向けのアセットやプラグインを扱っていたストア。
  • Quixel Megascans: 写実的な3Dスキャン素材のライブラリ。フォトリアルな岩・地面・植物などが揃います
  • Sketchfab Store: Sketchfabの3Dモデル販売機能。図のSketchfabは、この販売機能を指します。

旧UE Marketplaceで入手した製品は、Launcherの Fab Library から利用できます。Web版の My Library にも表示されるのは、Fabへ公開されている製品です。旧ストアでの入手条件がすべて同じになるわけではないため、過去の購入品については公式の移行FAQを確認できます。

無料アセットを探す

最初の練習では、椅子や棚など、動かない小物を1つ探します。こうした置き物を プロップ と呼びます。FabでEpicアカウントへログインし、価格の「Free」と、対応形式の「Unreal Engine」で絞り込んでみましょう。汎用モデル形式だけの製品は、UEへ取り込む操作や材質の設定が別に必要になる場合があります。

無料フィルタで椅子・棚・岩などの素材を絞り込むイメージ。製品カードは説明用の例

無料アセットには、大きく次の種類があります。

  • 無料で公開されている製品:クリエイターが価格を無料にしているモデルやマテリアル。
  • 期間限定で無料の製品:対象期間中に入手手続きをすると、ライブラリへ追加できるもの。期限と取得時の価格を確認します。
  • Megascansの無料対象:Megascans全体が常に無料という意味ではありません。現在の製品ページで価格を確かめて選びます。過去の一括無料キャンペーンと、今から入手する条件は分けて考えます。

例えば、Fab開始時の一括無料キャンペーンは2024年末までの案内でした。古い教材の「無料」を現在の価格と取り違えないようにします。

検索例は chair(椅子)や furniture(家具)です。製品ページで、価格が無料であること、使うUEバージョンへの対応、ファイル容量を確認します。図の製品名は検索のイメージで、実際の配布を示すものではありません。

ライセンスを読む

無料でも、 使い方の条件(ライセンス) は必ず確認します。「無料=何にでも使える」ではありません。

アセットのライセンス表示を確認する図。商用利用の可否と、収益規模による区分を読み分けるポイントを示す

まずライセンスの種類を見ます。Fab Standard LicenseCC BY では、守る条件が異なります。

  • 作品への利用と、素材そのものの配布を分ける:Standard Licenseは、素材を組み込んだ作品の商用配布を認めています。一方、素材だけをそのまま再販売・再配布することは認めていません。
  • 取得時の区分を確認する:Standard LicenseのPersonal/Professionalは価格区分です。両者で利用権の範囲は同じですが、取得時に自分が選べる区分を条件に沿って確認します。
  • クレジットなどの条件を確認するCC BY 4.0では、適切な作者表示、ライセンスへのリンク、変更の明示などが必要です。Standard Licenseと同じ条件だと思って使わず、製品からリンクされた規約を読みます。

この説明は確認する場所の案内です。実際には製品に適用される規約を確認し、作者名・製品URL・取得日・ライセンスをメモしておくと、公開前に見直せます。内容はFabのライセンス案内と、製品ページから確認してください。

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プロジェクトに追加する

製品ページで価格と条件を確認し、「Add to My Library」などの入手操作を完了します。ライブラリへの追加 はアカウントに製品を登録する操作で、まだUEプロジェクトの中には入っていません。続いて、使用先へダウンロードします。

Epic Games Launcherのライブラリから「Add to Project�」でプロジェクトへ追加する流れと、エディタ内Fabプラグインから直接ドロップする流れを対比した図
  • Launcherから追加する:同じEpicアカウントでログインし、Fab Libraryで製品を探します。UE向けの素材パックなら「Add to Project」で追加先を選びます。
  • UEのFabウィンドウから追加する:「Window → Fab」で開きます。見当たらない場合は「Edit → Plugins」でFabが有効かを確認します。使用できる操作は製品形式によって異なります(→ Epic公式のFabウィンドウ)。

「Create Project」しか出ない製品は、サンプルなどの プロジェクト一式 です。「Install Plugin」は機能を追加する プラグイン 用です。どの製品でも2つのボタンを自由に選べるわけではありません。図は代表的な追加経路を整理したものです。

今回は「Add to Project」が使える、UE向けの家具や小物のパックを選びます。追加完了後、UEのコンテンツブラウザにパックのフォルダが現れ、モデルを開けることを確かめてください。形式ごとの操作はFab in Launcherの公式案内も参照できます。

Migrateで別プロジェクトへ移す

Migrate(移行) は、選んだアセットと、それが使う素材を別プロジェクトへコピーする機能です。例えば椅子の メッシュ は立体の形、マテリアル は表面の見え方、テクスチャ は色や模様などに使う画像です。椅子を同じ見た目で表示するには、形だけでなく、使っている材質や画像も必要です。

Content Browserでアセットを右クリックしMigrateすると、依存するマテリアルとテクスチャが自動で付いてきて別プロジェクトへ移る図

コンテンツブラウザでアセットを右クリックし、「Asset Actions → Migrate」を選びます。表示される一覧が、必要な 依存アセット も含めたコピー対象です。内容を確認し、移行先の Contentフォルダそのもの を選びます。同名ファイルの上書きが出た場合は、移行先の作業を置き換えてよいか確認してから進めます。Epic公式の移行手順でもこの流れを確認できます。

Migrateは、UEのバージョン違いを自動で解消する道具ではありません。古い版の素材を新しい版で使う場合は、複製した検証用プロジェクトで試します。プラグインやコードに依存する製品は、対応版や必要な機能も確認してください(→ UEバージョン更新の手順)。

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実践:殺風景な部屋をドレスアップする

Third Personテンプレートの一角へ、椅子や棚を置いてみましょう。まずは小物1つを選び、見た目だけでなく、大きさや当たり判定まで確かめます。慣れたら同じ手順で家具を増やせます。

作るのは、 無料のプロップパックを検証用プロジェクトで確認し、使う分だけMigrateで本番へ移して、部屋に家具を並べる 流れです。

図は家具を増やした完成イメージです。本番へ移すのは選んだ家具と、その家具が使う素材です。見本のレベル全体を選ぶと、そこに置かれた多くのアセットまで対象になるので、最初は使うメッシュを個別に選びます。

何もない白い部屋が、机・棚・小物で飾られ、本番のContent Browserには必要なアセットだけが入っている実例図

手順

ステップやること
1. 検証用を用意本番と同じUEバージョンで、Third Personの練習用プロジェクトを作る
2. 小物パックを追加Fabで入手を完了し、LauncherのFab Libraryから検証用へ「Add to Project」する
3. 1つ置いて試すコンテンツブラウザのメッシュをレベルへドラッグし、キャラクターの近くへ置く。下の5項目を確認する
4. 選んだメッシュを移す検証用でメッシュを選び「Asset Actions → Migrate」。一覧に必要な素材が入っているか見て、本番のContentフォルダを指定する
5. 本番でも確認する本番プロジェクトでメッシュを配置し、同じ見た目・大きさ・当たり方になるか確かめてレベルを保存する

確かめる

検証用と本番で、次の5項目を見ます。Collision(コリジョン) は当たり判定です。椅子が画面に見えていても、当たり判定がなければキャラクターは通り抜けます。

小物の大きさをキャラクターと比べ、当たり判定・見た目・必要な素材・容量を確認する5枚のカード
確認するもの試し方
大きさ(スケール)キャラクターの横に置き、座面や机の高さが意図した大きさか比べる
当たり判定「Play」で近づき、通り抜けるか、見た目より手前で止まらないか確かめる
見た目色や模様が元の見本と対応しているかを見る。照明が違えば印象も変わる
依存アセットメッシュの材質欄とMigrateの一覧を確認し、必要なマテリアル・画像が揃っているか見る
容量大きな画像を多く含んでいないか確認する。小物を少数選んでも依存先が大きい場合がある

当たり判定を作る必要がある場合は、Simple Collisionの記事へ進めます。形や位置を変える編集は「Play」を止めてから行ってください。

うまくいかないときの切り分けです。

  • 見た目が違う:色だけで原因を決めず、材質の指定、必要な画像、照明を確認します。初回は描画の準備(シェーダーのコンパイル)に時間がかかる場合もあります。ログに不足ファイルが出ていれば、その名前と移行対象を照合します。
  • プロジェクトの容量が増えた:パック全体や見本レベルを移していないか、依存する画像が大きくないかを見ます。容量と実行中の重さは別なので、画面が重い場合はパフォーマンスの調べ方で確認します。
  • アセットを開けない:対応バージョン、必要なプラグイン、製品の形式を確認します。Migrateのやり直しだけで直るとは限りません。

ポイントは2つです。

  • 検証用で選んでから本番へ:使わない素材の持ち込みを減らし、問題が起きる場所を分けられます。
  • 移行先でも開いて確かめる:Migrateの完了だけで終わらず、配置とPlayまで確認します。入れたあとの整理はアセット管理の記事へ進めます。

おまけ:先に知っておくと良いこと

グレーボックスからの差し替え。 最初はブロックで大まかに空間を作り(モデリングモードでグレーボックス)、あとからFabのアセットで見た目を差し替えると、レベル制作が速く進みます。「まず形、あとで見た目」の順が定番です。

人型の動きを借りる。 骨の構成が違うキャラクターへアニメーションを移すには、対応付けの調整が必要です。アニメーションのリターゲットで、その仕組みと手順を扱います。

大容量アセットは追加前に管理方法を決める。 Gitを使うなら、大きな素材を記録する前にGit LFSの設定を確認します。LFSはファイルを圧縮して小さくする仕組みではないため、保存先の容量も必要です。

まとめ

アセットの入手から本番投入まで、次の流れで進めます。

段階やること道具
探す無料フィルタで素材を見つけるFab(無料フィルタ・Megascans)
確認対応形式とバージョン、価格、利用条件を読む製品ページと適用ライセンス
入れる検証用プロジェクトへ追加Launcherの「ライブラリ」/ Fabプラグイン
移す使う分だけ本番へMigrate(依存ごと引っ越す)

入手したら、まず検証用で小物を1つ置いてみます。使えそうなら、必要な素材と一緒に本番へ移し、同じように使えるかを確認しましょう。

椅子を1つ置くだけでも、部屋の大きさや通路の幅を考えやすくなります。見栄えを整えながら、キャラクターがその周りを歩けるかも試してみてください。

さらに学ぶために

Unreal Engine このセクションのノート98