【Unreal Engine】Landscape入門:地形を作って草木を生やす

作成: 2026-07-20

UE5のLandscapeで屋外の地形を作る入門。スカルプトで丘を彫り、Layer Blendで草・土を塗り分け、Foliageで木を撒くまで。ペイントレイヤーが塗れない定番の原因(Layer Info未作成)や、丘が登れないWalkable Floor Angleも図解します。

Third Personテンプレートを開くと、平らな床の上にキャラクターが立っています。ここから、広い草原や起伏のある丘を作りたい。でも、そのための地形をどう作ればいいのか分かりません。

UEには Landscape という、広い屋外地形を作るための専用システムがあります。粘土を彫るように地面を盛り上げ、草や土を塗り分け、木や草を撒く。無料のスターターアセットだけでも、それらしい野外が作れます。この記事では、Landscapeの基本から、草原の丘に一本道を通すところまでを作ります。初心者が必ずつまずく「レイヤーが塗れない」問題も解決します。

平らな床から起伏のある草原の丘へと地形が育つ様子とソフトブルーのクレイ人形

この記事でわかること

  • Landscape の作り方とサイズの決め方
  • スカルプトツール(Sculpt / Smooth / Flatten / Ramp)の使い分け
  • Layer Blend で草・土を塗り分ける仕組み
  • レイヤーが塗れない定番の原因(Layer Info 未作成)
  • Foliage で草や木を撒く(密度とカリング)
  • 実践: 草原の丘に一本道を通す

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Landscapeを作る

Landscapeは、Landscapeモード(エディタ左上のモード切り替え、またはSelection Mode → Landscape)で作ります。作成時に、地形のサイズを決めます。

サイズは3つの数字の掛け算で決まります。

  • Section Size:1区画の解像度。
  • Sections Per Component:1コンポーネントあたりの区画数。
  • Number of Components:全体のコンポーネント数(縦×横)。
Section Size・Sections Per Component・Number of Componentsの3つでLandscape全体の広さが決まる関係を積み木のように示した図

最初は難しく考えず、推奨のままか、Number of Componentsを少し増やして「1辺500m前後」を目安にします。後からサイズは広げられる ので、まず作ってしまうのが早いです。広くしすぎると重くなるので、最初は必要なぶんだけにします。

作成すると、平らな板がシーンに現れます。ここを彫っていきます。

スカルプトで地形を彫る

地形の形は スカルプトツール で作ります。ブラシで地面をなでるように、盛り上げたり削ったりします。

Sculptは盛り上げ、Smoothはな�めらかに、Flattenは平らに、Rampは坂を作る、という4つのスカルプトツールの効果を並べた図

よく使うツールは4つです。

  • Sculpt:地面を盛り上げる(Shift押しで凹ませる)。丘や山を作る基本。
  • Smooth:凸凹をなめらかにする。ギザギザした地形を自然にならす。
  • Flatten:一定の高さに平らにする。道や建物を置く土台を作る。
  • Ramp:2点を指定して、なめらかな坂を作る。丘への登り道に便利。

このほか、地形を自然に侵食させる Erosion、ランダムな凹凸を足す Noise などもあります。まずはSculptで大まかな形を作り、Smoothで整え、Flattenで平地を作る、という流れを覚えれば十分です。

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マテリアルを塗り分ける

地形の見た目、草・土・岩の塗り分けは Landscape Material で決めます。ここが、普通のStatic Meshのマテリアルと少し違います。

Landscape専用の Layer Blend(Landscape Layer Blend)ノードを使い、そこに「草」「土」といった レイヤー を並べます。各レイヤーに草や土のテクスチャをつなぎ、あとはビューポートで塗るだけで、塗った場所にそのレイヤーが出ます。

Layer Blendノードに草・土・岩のレイヤーが入り、それぞれにテクスチャがつながって、ペイントで塗り分けられる仕組みを示した図

具体的な手順は4つです。

#やること場所
1マテリアルを作るContent Browserで右クリック → MaterialM_Landscape などの名前で作成
2Layer Blendを置くマテリアルエディタで右クリック → Landscape Layer Blend を追加し、出力を Base Color へ繋ぐ
3レイヤーを登録するLayer Blendノードを選び、詳細パネルの Layers で行を足す。各行の Layer NameGrass Dirt Rock のような名前を付ける(この名前がペイント時の一覧に出ます)
4地形に割り当てるLandscapeアクターを選び、詳細パネルの Landscape Material に作ったマテリアルを指定

Layer Blendは、行を足すたびに 入力ピンが増えますGrass の行を足せば Layer Grass というピンが現れるので、そこへ草のテクスチャ(Texture Sample)を繋ぎます。 ピン名は Layer Name に入れた文字列がそのまま出る ので、名前は分かりやすく付けてください。

ここで 初心者が必ずつまずく ポイントがあります。マテリアルを割り当てて、いざ塗ろうとしても、色が乗らない のです。

原因は Layer Info です。各ペイントレイヤーには、「どこに塗ったか」を保存するための Layer Info オブジェクトが必要です。これを作っていないと、塗る先がなく、地形に何も乗りません。ペイントモードで、レイヤー名の横の+アイコンから Weight-Blended Layer の Layer Info を作れば、塗れるようになります。塗れないときは、まずここを疑ってください。

Foliageで草木を撒く

地面ができたら、草や木を生やします。使うのは Foliageモード です。

Foliageは、Static Mesh(草や木のメッシュ)を、ブラシで地形の上に大量に撒く仕組みです。1本ずつ置くのではなく、まとめて撒けるので、広い草原もあっという間に緑になります。

Foliageツールで草や木のメッシュをブラシで撒き、密度とカリング距離を設定する様子を示した図

大事な設定は2つです。

  • Density(密度):どれだけ密に撒くか。上げるほど草が濃くなるが、数が増えて重くなる。
  • Cull Distance(カリング距離):どこまで離れたら表示をやめるか。遠くの細かい草は見えないので、切って軽くする。

Foliageで撒いたものは、まとめて管理・描画されるので、同じメッシュを何万本置いても比較的軽く保てます。ただし密度を上げすぎると重くなるので、Cull Distanceとセットで調整します。

手で撒くか、ルールで撒くか: Foliageはブラシで狙った場所に撒く道具です。丘一面に数千本の森を、傾斜や道の条件で自動配置したくなったら、PCG(ルールで撒く自動配置) が向いています。少量・意図した配置はFoliage、大量・条件で決まる配置はPCG、と使い分けます。

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実践:草原の丘に一本道

具体的な地形を1つ、最後まで作ります。

オープンフィールドRPGの野外、サバイバルの拠点周り、レースのオフロード。起伏のある地形に道を通し、草を生やす、という構造はどれも同じです。ここでは、草原に丘を2つ作り、間に平らな道を通し、道以外を草・道を土で塗り分け、道沿いに木を撒く ものを作ります。

動かすとこうなります。丘のある草原の中に、土の道が1本通り、道沿いに木が並ぶ。キャラクターは道をたどって丘の間を歩けます。

草原に2つの丘と土の一本道があり、道沿いに木が並ぶ完成した地形の実例図

手順

  1. 下準備とLandscape作成:Starter Content入りのプロジェクトで、既存の床を消すかLandscapeと重ならない位置へどけ、Player StartをLandscapeの上に置く。Landscapeは1辺500m前後で新規作成する(実寸は Scale=既定100 で決まる)。
  2. 丘を作る:Sculptで2か所を盛り上げ、Smoothでなめらかにする。
  3. 道を通す:2つの丘の間を、Flattenで平らにならして道の土台を作る。急な登りは Ramp(2点を置いて Add Ramp)でゆるやかにする。
  4. 塗り分ける:Landscape Material に Layer Blend で草・土の2レイヤー(Layer Name=Grass / Dirt)を用意して地形に割り当て、それぞれ Layer Info(Weight-Blended Layer)を作る。まず草レイヤーを Fill Layer で全体に敷き、道の部分だけ土で塗る。
  5. 木を撒く:Foliageモードの Mesh List に木のメッシュを登録し(Landscapeフィルターを有効に)、道沿いに撒く。密度は控えめに、Cull Distanceを設定する。
  6. AIを歩かせるなら:地形を覆う Nav Mesh Bounds Volume を置いてNavMeshを生成する(Pキーで緑を確認)。実際に敵を動かすには、これに加えてAI Controller と AI Move To などの移動命令が要ります。
Landscape作成→Sculptで丘→Flattenで道→レイヤー塗り分け→Foliageで木、と進む実践手順のフロー図

確かめる

Playして、キャラクターを道に沿って歩かせます。うまくいっていれば、丘の間の道をたどって歩け、道の部分だけ土のテクスチャに変わっています。丘の斜面がゆるければ登れ、急すぎれば止まります。

もし 道が土にならない なら、土レイヤーの Layer Info を作り忘れています。丘が登れない なら、斜面が Walkable Floor Angle(既定45度)より急です。SmoothやRampで傾斜をゆるめます。敵が地形を歩かない なら、Nav Mesh Bounds Volume を置いてNavMeshを生成し、Pキーで緑の領域が地形を覆っているか確認します。

ポイントは2つです。

  • レイヤーには必ずLayer Infoを作る:これがないと塗れない。塗れないトラブルの大半はここ。Weight-Blended Layer で作る
  • 傾斜はWalkable Floor Angleを意識する:登らせたい丘は45度より急にしない。急な崖は登れなくて正解

地形の上を敵が賢く歩くようにするには、NavMeshの設定 と組み合わせます。地形を編集したらNavMeshを再生成する、と覚えておけば迷いません。

おまけ:先に知っておくと良いこと

小さな平面ならLandscapeは要らない。 平らなアリーナや室内なら、Static Meshの床で十分なことが多く、そのほうが軽くて扱いも簡単です。ただし広い平地でも、地表を塗り分けたりFoliageを敷き詰めたいならLandscapeの出番です。「小規模な完全平面か」で使い分けます。

広くしすぎたら World Partition。 地形をどんどん広げると、全部を一度に読み込むのが重くなります。UE5の World Partition は、広い世界を自動で分割して近くだけ読み込む仕組みです。ただし近傍ロードを効かせるには、Open Worldレベル(World Partition対応)で Enable Streaming を有効にする必要があります。地形を広げただけでは自動では切り替わりません。広大なオープンワールドを作るなら、この組み合わせが基本になります。

軽さはLODとカリングで。 地形もFoliageも、遠くは粗く・見えないものは描かない、が軽さの基本です。Foliageの Cull Distance と、地形のLOD設定を詰めると、広くても動くシーンになります。

まとめ

Landscapeは、Sculptで彫り、Layer Blendで塗り分け、Foliageで草木を撒く。この3ステップで、平らな床から起伏のある屋外へ進めます。つまずくのはたいてい、レイヤーの Layer Info 忘れと、丘の傾斜の登れなさ。この2つさえ押さえれば、あなたのゲームに広い世界が開けます。

あなたの作りたい世界は、どんな地形でしょうか。まずは小さな丘を1つ、彫ってみるところから始めてみてください。