同じ球でも、金色に光ればコインの素材に、銀色なら機械の部品に、つやを抑えれば落ち着いた装飾に見えてきます。形を変えずに印象を作り分けるのが、マテリアル の仕事です。
ただ、色を選ぶだけでは思った素材にならないことがあります。「金属らしさ」と「つや」を別々に調整すると、どこを直せばよいかが見えてきます。この記事では球を使って違いを確かめ、その設定から3種類の素材を作ります。
この記事でわかること
- 色・金属・つや・凹凸を担当する入力の違い
- 数値や色をノードでつなぎ、金属の球を作る手順
- Material Instanceで、同じ仕組みから見た目を作り分ける方法
- 親の設定を引き継ぐ値と、個別に上書きする値の違い
マテリアルとテクスチャの違い
テクスチャ は、木目や傷などの情報を持つ画像です。マテリアル は、その画像や数値を使って、モデルの表面が光を受けたときにどう見えるかを決めます。
たとえば木目の画像だけでは、磨いた机なのか、ざらついた板なのかは決まりません。同じ画像を使っても、反射をくっきりさせればニスを塗った机に、ぼかせばつやを抑えた板に近づきます。逆に、模様のない素材なら、画像を使わず色と数値だけでも作れます。今回の球もその方法です。
UEの標準的なマテリアルは、現実の光の反射を手がかりにする PBR(物理ベースレンダリング) に基づいています。難しい式を覚えるより、まずは「何の素材か」と「表面がどれくらい滑らかか」を分けて考えましょう。

まず押さえる4つの入力
マテリアルエディタでは、色や数値を持つ ノード を線でつなぎます。線の 接続口が ピン です。最後にマテリアルの出力ノードへ渡した値が、表面の見た目に反映されます。
入力はほかにもありますが、最初は次の4つが分かると、素材を調整しやすくなります。

| 入力 | 決めること | 今回の使い方 |
|---|---|---|
| Base Color | 素材の基本となる色 | 金色や銀色にする |
| Metallic | 金属として光を反射するか | 金属なので 1 |
| Roughness | 表面の細かな粗さ。反射のぼけ方に表れる | 数値を変えてつやを比べる |
| Normal | 光の計算に使う表面の向き | 今回はつながず、球の元の向きを使う |
Base ColorとMetallic:何の素材に見せるか
Base Color は素材の基本色です。木やプラスチックなら表面の色を、金属なら主に反射光の色を決めます。金属に金色を設定すると、光の映り込みにも金色がつきます。
Metallic は、むき出しの金属なら 1、木・布・プラスチックなどの非金属なら 0 が基本です。金属の上に塗装がある部分は、見えている塗膜に合わせて考えます。
光沢があるからMetallicを上げる、という使い分けではありませ ん。 つるつるのプラスチックも、ざらついた鉄も作れます。つやの調整を担当するのが、次のRoughnessです。
Roughness:反射をくっきりさせるか、ぼかすか
Roughness は 0 に近いほど滑らかで、映り込みや光のハイライトがくっきりします。1 に近づけるほど反射が広がり、つや消しに近づきます。ハイライトとは、ライトが当たって明るく見える部分のことです。

比べるときは、形・色・Metallic・照明をそろえ、Roughnessだけを変えます。色まで同時に変えると、何が効いたのか分かりにくくなるためです。
ここでいう粗さは、光の反射に影響するほど細かなものです。値を大きくしても、球の輪郭にでこぼこが生えるわけではありません。
Normal:形を増やさず、小さな凹凸を感じさせる
傷や布目などの凹凸感には、ノーマルマップ を使えます。紫がかった画像の色に「表面がどちらを向いているか」を記録し、光の当たり方を変える仕組みです。この表面の向きを 法線(Normal) と呼びます。
